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使用事例


アクティブフィルタの電流制御

東京大学 大学院新領域創成科学研究科 藤本 博志先生
横浜国立大学 工学部 藤本 博志先生 (PED27号 2008年11月20日号掲載当時)
  • 経歴
  • 2001年 東京大学大学院工学系研究科電気工学専攻博士課程修了・博士(工学)
  • 2001年 長岡技術科学大学工学部電気系助手
  • 2002年-2003年 米国Purdue大学客員研究員
  • 2004年 横浜国立大学 大学院工学研究院 電気電子と数理情報分野 講師
  • 2005年 横浜国立大学 大学院工学研究院 電気電子と数理情報分野 助教授
  • 2007年 横浜国立大学 大学院工学研究院 電気電子と数理情報分野 准教授
  • 2010年 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 准教授

研究内容


当研究室での研究内容は大きく分けて、電気自動車、ナノスケールサーボ、パワーエレクトロニクス、ビジュアルサーボの分野があります。電気自動車(EV)の研究では、モータで走る優位性を生かしてエンジン車よりも優れた運動制御を研究しています。ナノスケールサーボでは、ハードディスクや原子間力顕微鏡など微小な領域での高速高精度な位置決め制御などの研究をしています。パワーエレクトロニクスでは、アクティブフィルタの電流制御やPMモータでの高調波電流抑制やトルクリプル抑制制御を研究しています。ビジュアルサーボでは、カメラから得られた画像情報に基づく制御の研究を行っています。特にパワーエレクトロニクスにおいては、詳細な回路解析やインバータモデルを含んだ検討などを行う際にPSIMを活用しています。写真は実験に用いているPMモータと制御装置PE-Expert3です。

PSIM使用実例


PSIMを用いてアクティブフィルタの電流制御シミュレーションを行った例を示します。我々の研究室ではインバータのデジタル制御においてマルチレートPWMという制御方式を提案してきました。この制御方式を下図の様な回路を組むことでアクティブフィルタの電流制御に適用しています。制御理論の詳細と実験結果については文献(佐藤,藤本: "マルチレートPWMに基づく単相アクティブフィルタの電流制御系の実験検証" , SPC-08-17, pp. 37-42, 2008)を参照ください。

まとめ


アクティブフィルタは系統側の電流に含まれる高調波成分に対して逆相の電流を出力することで高調波を打ち消し、系統電流を基本波成分のみにすることが目的です。下図にシミュレーション結果を示しています。上段は、それぞれアクティブフィルタ設置前の系統電流と含まれる高調波成分、下段は設置時のアクティブフィルタ出力電流の指令値追従特性です。設置前は系統電流(赤)の中に高調波成分(青)が大きく含まれています。設置時は下段に示すようにマルチレートPWMに基づいて出力電流(赤)をその指令値(青)に追従させることで中段のように高調波(青)を抑圧できていることが確認できます。このシミュレーションを基に、実験においても今回と同様な結果を得ることができました。

モジュール構成

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