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使用事例


MPPT制御による系統連系システムの解析

職業能力開発総合大学  山本 修先生 / 清水 洋隆先生
  • 山本 修
  • 経歴
  • 1995年 職業能力開発総合大学校助手
  • 1997年 明治大学大学院理工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)
  • 1998年 同大学校講師
  • 清水 洋隆
  • 経歴
  • 1999年 名古屋大学大学院工学研究科博士後期課程修了、博士(工学)
  • 1999年 名古屋大学大学院工学研究科助手
  • 2002年 職業能力開発総合大学校講師

研究内容


当大学では、1年生~3年生で学習した要素を統合した総括的な設計・製作実習科目を4年生に対して開講しています。筆者らは、太陽電池で発電された電力を電力系統に連系させるPWMインバータシステムを題材にした実験・実習教材を開発しました。インバータ機能のみでなく、実際の太陽光発電用系統連系インバータに備えられている力率制御および最大電力追従(MPPT)制御についても学習する内容です。この実習科目におけるシミュレーションにPSIMを活用しています。実習ではまず、力率1で交流電力を逆潮流できる電流追従形PWMインバータの制御回路を設計・製作・試験します。次に、回路の動作波形をPSIMでシミュレーションすることで動作を確認します。続いて、山登り法によるMPPT制御を学習し、PSIMによって先のインバータと組み合わせて最大電力で系統連系できることを検証します。さらに、製作したPWMインバータと模擬太陽光発電装置とDSP(MPPT制御部分を実装)を組み合わせて動作試験を行ない、最後に、これらの結果をプレゼンします。

PSIM使用事例


上図は、実習科目において実際に構築した解析モデルです。太陽電池部、インバータ主回路、PWM制御部およびMPPT制御部から構成されています。実際の太陽電池の電圧-電流特性を考慮して、モデルに反映させています。下図はPSIMによるシミュレーション結果の一例です。計算開始直後から太陽電池の出力電力Ppvが増加し、最大電力10(W)に到達していることが確認できます。また、交流電流iacの位相が交流電圧vacと同相となっており、力率が1に制御されていることがわかります。

まとめ


パワエレシステムの設計・製作を行なう実習科目においてPSIMを活用した事例を紹介しました。PSIMは、初学者でもたいへん扱いやすく、容易にパワエレ回路のシミュレーション技法を習得できるため、より多くの時間を本題の学習に費やすことができました。また,本実習では,理論 → 一部の実験 → シミュレーション → 全体の実験という学習の流れを採用しました。一部の回路製作と実験を先に行なうことで,実機と乖離せずにシミュレーションを実施できたようです。授業で学習したパワエレの理論が実機装置においてしっかりと活かされていることを体得してもらうことができた点でも,PSIMによるシミュレーションを有効活用できたと考えています。

モジュール構成

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