3つのコイルの磁気結合シミュレーション
~ PSIMの磁気素子を使って磁気回路を理解しよう ~

株式会社プリンシパルテクノロジー 大羽 規夫 様からの投稿です。

はじめに

コイル間の磁気結合(相互誘導)を応用したワイヤレス給電では、受電コイルが複数ある場合や中継コイルを用いる場合において、3つ以上のコイル間の結合を考える必要があります。
コイルが2つであれば、一般的な教科書で解説されている相互誘導のシンプルな理論式やT型等価回路などで比較的簡単に扱うことができます。ところがコイルが3つ以上になると、どのような理論式や回路モデルで解析すればよいのかわからないという人が多いようです。
そこで、3つのコイルの磁気結合をどのように考えればよいのかについて、PSIMの磁気素子による磁気回路シミュレーションを使って解説します。

PSIMの磁気回路モデル

PSIMに付属しているサンプル回路【1-ph transformer in magnetic modeling block.sch】に、PSIMの磁気素子を使って作成した2巻線の磁気結合回路モデルがあります。

図1 PSIMに付属している2巻線の磁気結合サンプル回路

PSIMには、巻線・パス・コア・ギャップという磁気素子があり、これらを使って磁気回路のシミュレーションが可能です。各素子間の接続線は磁束の経路に相当し、2巻線の場合は次の3つの磁束経路があります。

  • 1次漏れ磁束経路
  • 2次漏れ磁束経路
  • 1次-2次を貫通する磁束経路(結合経路)

それぞれの磁束経路には、パスやコアなどの磁気素子を使ってその磁束経路のパーミアンスを設定する必要があります。PSIMでは、このパーミアンスの値を図2のように「Inductance Factor」の欄に設定します。

図2 パスの設定ウィンドウ

このように、PSIMを使って磁気回路のシミュレーションが可能であり、説明に使った2巻線のサンプル回路では、磁気素子で作成した回路の特性と単相トランスを使った回路の特性とが完全に一致していることを確認することができます。

なぜコイルが3つになると回路モデル作成や理論解析が難しくなるのか

2巻線の場合、3個のインダクタンスで構成されるT型等価回路で解析できることは周知の通りですが、3巻線になると急に取り扱いが難しくなり、どのように解析すればよいのかを明確に解説している教科書もないようです。なぜコイルが1つ増えただけでそれほど難しくなるのか、その理由は磁束経路を考えればわかります。
2巻線の場合は磁束経路が3つであることは説明した通りですが、3巻線の磁束経路は次のようになります。

  • 1次漏れ磁束経路
  • 2次漏れ磁束経路
  • 3次漏れ磁束経路
  • 1次-2次を貫通する磁束経路
  • 2次-3次を貫通する磁束経路
  • 1次-3次を貫通する磁束経路
  • 1次-2次-3次を貫通する磁束経路

このように、3巻線の場合は7つの磁束経路が考えられ、コイルが1つ増えただけで磁束経路が3つから7つへと2倍以上に増えます。
この磁束経路の増加が3巻線の取り扱いが急に難しくなる最大の理由です。

つまり、3巻線の磁気結合を扱うためには、まず磁束経路(磁気回路モデル)から考える必要があります。2巻線の場合には電気系のT型等価回路で扱っていたために、磁気回路の扱い方がよくわからないということも3巻線の理解を難しくしている理由かもしれません。
磁気系なんて考えたことがないという人は、磁気回路に慣れるために4巻線や5巻線の場合の磁束経路がいくつあるかを考えてみるのも良いかもしれません。

コイルが3つの場合の磁気回路モデル

3巻線の場合の7つの磁束経路をPSIMの磁気回路で表すと図3のようになります。
各コイルには磁束経路がそれぞれ4経路ずつあるため、PSIMの巻線素子をコイル毎に4直列に接続し、7つの磁束経路毎にパーミアンスを設定して磁気回路を構成しています。なお、コイル間を結合する磁束経路には、PSIMのギャップを使用していますが、パーミアンスを設定できればよいのでパスやコアを使用してもかまいません。

    【記号の意味】

  • N1 :1次コイルの巻数 [Turn]
  • N2 :2次コイルの巻数 [Turn]
  • N3 :3次コイルの巻数 [Turn]
  • Ap1 :1次漏れ磁束経路のパーミアンス [H]
  • Ap2 :2次漏れ磁束経路のパーミアンス [H]
  • Ap3 :3次漏れ磁束経路のパーミアンス [H]
  • Ag12 :1次-2次を貫通する磁束経路のパーミアンス [H]
  • Ag23 :2次-3次を貫通する磁束経路のパーミアンス [H]
  • Ag31 :1次-3次を貫通する磁束経路のパーミアンス [H]
  • Ag123 :1次-2次-3次を貫通する磁束経路のパーミアンス [H]

図3 PSIMによる3巻線の磁気回路モデル

PSIMの相互誘導結合インダクタを用いた回路モデル

ここまで、3巻線の場合の磁気結合を磁気回路モデルで説明してきましたが、PSIMの相互誘導結合インダクタ(Coupled inductor)を使うと、
3つの自己インダクタンスと3つの相互インダクタンスで電気的に扱うことができます。

図4 PSIMの3巻線相互誘導結合インダクタ

この3巻線相互誘導結合インダクタに設定するパラメータは

  • L1 :1次コイルの自己インダクタンス [H]
  • L2 :2次コイルの自己インダクタンス [H]
  • L3 :3次コイルの自己インダクタンス [H]
  • M12 :1次-2次間の相互インダクタンス [H]
  • M23 :2次-3次間の相互インダクタンス [H]
  • M31 :1次-3次間の相互インダクタンス [H]

となっており、各コイルの電圧と電流の関係は次式のようになります。

この電気系のインダクタンスは、磁気系のパーミアンスと巻数から次式によって求められます。

このようにして、磁気結合を電気系の自己インダクタンスと相互インダクタンスに置き換えて解析できるわけですが、
そのためには解析対象の磁気回路モデル(磁束経路とパーミアンス)を明確にしておく必要があります。

コイルが3つの場合はΔY型等価回路

すでに述べたように、単相トランスのような2巻線の磁気結合はT型等価回路を使って解析されることが多いです。このT型をπ型の等価回路へ変換することも可能ですが、
いずれにしても3つのインダクタンスでその回路特性を規定することができます。
では、3巻線の場合はどうなるかというと、6つのインダクタンスで構成されるΔY型等価回路で解析することができます。(※参考文献参照)
PSIMでこのΔY等価回路を作成すると図5のようになります。

図5 PSIMによるΔY型等価回路

6つのインダクタンスは、自己インダクタンスと相互インダクタンスに基づいて次式のように表されます。

このように3巻線の場合でも2巻線と同様に磁気結合を電気的な等価回路に置き換えて解析することが可能ですが、このような複雑な変換式で扱わなければならない等価回路よりも、
パーミアンスを使った磁気回路で解析した方がわかりやすい場合も多いと思います。

シミュレーション結果の比較

コイルが3つの場合の磁気結合を解析するための回路モデルとして、次の3種類を説明しました。

  • 磁気素子を用いた磁気回路
  • 相互誘導結合インダクタを用いた回路
  • ΔY型等価回路

次に、この3種類の回路を同時にシミュレーションするPSIM回路について説明します。

図6 3種類の磁気結合回路モデルのシミュレーション回路

図6がシミュレーション回路ですが、1次巻線に接続される電源は直流成分を含む500Hzの矩形波電圧源であり、3種類の回路モデルに共通して接続されています。
2次巻線と3次巻線には負荷として抵抗が接続されており、その抵抗値も3種類の回路モデルで同じです。

シミュレーション結果を図7に示します。

図7 3種類の磁気結合回路モデルのシミュレーション結果

上段が3つの巻線の両端電圧、中段が2次巻線と3次巻線の電流、下段が1次巻線の電流です。
各巻線の電圧と電流は、いずれの回路モデルにおいても波形に差異はなく完全に一致しており、3種類の回路モデルが同じ特性の等価回路であることがわかります。

まとめ

3つのコイルの磁気結合を解析するための3種類の回路モデルについて、PSIMを使って解説しました。
どの回路モデルでも理論解析やシミュレーションは可能ですが、やはり磁気結合を扱うのであれば磁気回路モデルで考えるのが基本です。
ぜひ、磁気回路の解析や設計検討にPSIMの磁気回路シミュレーションを使ってみてください。

シミュレーション回路ファイルは下記よりダウンロードできます。

回路ファイルダウンロード

作成バージョン:11.1.3
※Ver.11.1.3以上の製品版もしくはトライアル版で動作が可能です。
 デモ版は素子数制限を超えていますので、実行できません。
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※参考文献
小林涼太,太田裕介,金子裕良:「中継コイルを用いた非接触給電システムの回路特性解析」,電気学会産業応用部門大会講演論文集,1-35,(2015年)

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PSIMユーザ会2018開催します!

今年もPSIMのユーザ会を開催します!

連続4回目となる今年もお申込みを開始して早1ヶ月半ほどですが、

たくさんのお申込みを頂いて大変賑やかな会になりそうです。

今年から日本パワーエレクトロニクス協会が主催する
パワエレ技術者育成フォーラムと同時開催となりました。

PSIMのユーザ様の事例だけでなく、パワーエレクトロニクスの技術者に役立つ
講演が盛りだくさんです。

ぜひご来場ください!

───────────────────────────────────

▼PSIMユーザ会2018のお申し込みはこちらから
https://pwel.jp/articles/11

※交流会無料ご招待に関しましては下記をご参照ください。
─────────────────────────────────

■開催概要

【日時】2018年10月26日(金) 10:00~20:00(交流会 18:30~)

【開催場所】神奈川県横浜市港北区新横浜3-4
新横浜プリンスホテル
http://www2.princehotels.co.jp/shinyokohama/access/

【参加費/定員】無料 / 400名
※交流会(18:30~20:00)は通常有料ですが
通信欄に合言葉記載で無料になります。

■プログラム

イベントページをご確認ください。
https://pwel.jp/articles/11

■交流会
MywayプラスはPSIMユーザ会に併設されるパワエレ技術者育成フォーラムに
後援しています。

交流会は有料ですが、本ページをご覧頂いて
お申込み頂いた方は【無料】にてご招待します。

フォームからのお申込みの際、「6.通信欄」に下記の合言葉を入力してください!

【 合言葉:PSIM 】

本イベントの講演者様も参加し、パワエレに携わる多くの方と交流できる貴重な機会です。
ぜひこの機会にご参加ください。

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FFTの分解能および窓関数について

今回はPSIMで便利と言っていただける内容の1つである
FFTについて少しご紹介したいと思います。

PSIMではSimViewを使うとボタン1つでFFT解析を行うことができるので、
PSIMのデータだけでなく実験のデータなどPSIMとは関係のない
データを読み込んで解析機能だけをご利用頂くこともできます。

PSIMのデータではないデータを読み込む時は
csv形式などにして頂くと読み込むことができますので、
是非参考にしてください。

■窓関数について

PSIMで使用している窓関数は「矩形窓」です。

他の窓に変更することはできますか?と
質問をいただくこともありますが、残念ながら現状はできません。

もし他の窓も使えるようにしてほしいというご要望等がありましたら
ぜひコメントなどに残していただいたり、
弊社社員とご面識のある場合はご要望としてお伝えください。

その際、ぜひどんな場面で使う時にこの種類の窓があると
どう助かるということも合わせてお伝えいただけると
開発元に理由を説明しやすく、実装してもらえる可能性も
高くなりますのでご協力ください!

■分解能と周波数範囲について

FFTの分解能と周波数範囲はデータの時間間隔⊿tとデータの長さTlengthに依存し、
分解能は1/Tlength、周波数の最大値はfmax=1/(2*⊿t)で決まります。

例えば
シミュレーションのタイムステップ:10us
総時間:0.06secのシミュレーションデータをFFTした場合、

⊿t = 10u
Tlength = 0.06 なので

分解能 → 1/0.06 = 16.6
周波数の最大値 → 1/(2*10^-6)= 50000

となり、16.6刻みの周波数で50000Hzの結果を出します。

実際の結果を見てみると横軸の周波数の刻みが16.6、
最後の周波数が50008Hzとなっていることがわかります。

今はわかりやすいようにシミュレーションを行った全てのデータを
FFTしていますが、FFTを行う時は

・波形が定常状態であること
・基本周波数の整数倍のデータの長さであること

を確認してください。

なお、シミュレーション制御の表示タイムを設定してデータを間引いている場合は
⊿t=タイムステップ×表示タイムとなります。
データの長さTlengthの調整は、SimView上でX軸の表示設定からできます。

以上です。ぜひご活用ください!

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回路にグランドがないとどうなる?

回路上にグランド(基準電位)がないとどうなるのでしょうか?

PSIMでは回路上にグランドを置いていなくてもシミュレーションを行うことはできます。
ですが、操作についてお伝えする時、「必ず回路上に1つはグランドを置くようにしてください」とお伝えしています。
これはなぜでしょうか?

グランドがないとどんな影響があるのかをご説明します。

サンプルとしてシンプルなLR回路を見てみます。
グランドを設置しない回路と設置した回路の、抵抗にかかる電圧を
比べてしてみたいと思います。

回路としてはこんな感じでしょうか?

この波形を見てみます。

赤い波形が上のグランドを設置していない回路、
青い波形が下のグランドを設置した回路の波形です。

グランドを設置していない回路の電圧は正しく出ていないように見えます。

これについては一概にグランドを設置していないことによる影響だけとは言えず、
1端子のプローブを使用していることも1つの原因です。

1端子のプローブは基準電位とプローブが接続されている点との電位差を
出力するプローブなので、基準電位がない回路に使用すると
どこを見ているのかわからない状態になります。

2端子の電圧プローブを使用すると、接続している2点間の電位差を見ますので
基準電位を置いた1端子のプローブを接続している回路の結果と
同じ結果を確認することができます。

しかし、1端子のプローブは接続が簡単なので使用する方も多いと思いますし、
基準電位を設置していれば1端子でも2端子でも結果は変わらないので
習慣として設置するようにしたほうが良いと思います。

また、グランドがないと回路の解析結果が安定しないこともあります。
シミュレーションするたびに結果が変わっているように見えたり、
本来同じ結果になる2つの回路の結果が違って見える場合もあります。

回路の挙動がどうもおかしい…と思ったときには
是非一度グランドがちゃんと接続されているかどうかをご確認ください。

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MOSFETやダイオードに流れる微小電流

ダイオードやMOSFETをご利用の際、使用条件によって
「意図していない微小電流が流れている」とご相談頂くことがあります。

今回はこの現象についてご説明します。

ダイオードやMOSFETなどのスイッチングデバイスの理想の動作としては
ON時は抵抗0、OFF時は抵抗無限大です。

ですが、現実的に抵抗無限大に設定することはできないため、
PSIMでは「オフ抵抗」として10MΩの抵抗が並列に接続されています。

簡単なダイオードを使用した回路を見てみます。

この回路の場合、抵抗に流れる電流は下記のような波形になります。

ですが、負荷抵抗を大きくした場合(今回は1MΩ)は回路と波形は下記のようになります。

ダイオードがオフの時に少し電流が流れている様に見えます。
この時、実際の回路はダイオードの所に抵抗が入っているので、
こんな感じになっています。

本来は負荷抵抗に対してオフ抵抗のほうが十分大きいことを想定し、
オフ時はオン時に比べて電流がほとんど流れない状況になります。
しかし、この状態では負荷抵抗とオフ抵抗の抵抗差が少ないため
オフ時も電流が流れているように見えてしまいます。

オフ抵抗を大きくしたい場合、下記のようにダイオードに対して
並列に抵抗を接続し、オフ抵抗として使用したい抵抗の値を入力しておくと
自動的にオフ抵抗として認識します。

上記回路を実行してみると下記のように理想通りの波形になっていることがわかります。

ただし、これはダイオードの両端に何も他の素子を繋がないで
抵抗を並列に繋ぐ必要があります。
下記のように他の素子を繋いでしまうと「オフ抵抗としては10MΩ、
その外側に更に1GΩの抵抗が接続されている回路」として認識してしまいますのでご注意ください。

以上です!ご理解いただけたでしょうか?
回路のインピーダンスが大きいときなどはぜひご活用ください。

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スコープで電流や端子間電圧を見る方法

PSIMCafeでも何度かご紹介しているフリーランモードですが、
フリーランモードで使用するスコープはそのままだと
接続点とグランドとの間の電位を見ることになります。

今回はフリーランモードで電流や端子間電圧を見る方法をご紹介します。

■電流を見る方法について

電流を見る方法は2つあります。

1つ目は電流スコープを使用して電流を観測します。
詳細な設定方法は下記にご紹介していますので、
既に読んでいただいた方もいるかもしれません。

▼素子に流れる電流をプローブをつけずに見る方法
https://www.myway.co.jp/psimcafe/?p=1343

しかし、電流スコープは素子に付属している機能なので
素子によっては機能がなく、使用することができません。

また、並列の回路などでは見たいところに素子がない場合も
あるかもしれません。

そんな時の2つ目の方法は電流センサで電圧信号として取り出して
スコープに入れる方法です。

複数箇所の電流を同じスコープ上で確認したい場合も
電流センサで取り出した信号を「4チャンネルスコープ」など
複数の信号が入るスコープに入れると同じ画面上で確認することができます。

■端子間電圧を見る方法について

直列に接続されている素子の端子間電圧を見たい場合には
電圧センサを使用します。

電圧を確認したい素子の両端に電圧センサを接続し、
スコープに入れると電流と同様にスコープで確認できるようになります。

フリーランモードはPSIMの機能の中でも大変好評な機能ですので、ぜひご活用ください!

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【平地研究室技術メモ】変圧器の極性について No.20131014

舞鶴高専の平地先生が公開している「平地研究室技術メモ」を
PSIMで回路を作って実行してみました。
(平地先生には許可をいただいて製作しています。)

作った回路はDLできるようにしていますのでぜひご活用ください。

※PSIMの回路についての動作保障は致しかねますのでご了承ください。

今回はNo.20131014 変圧器の極性についてです。
平地研究室技術メモ「変圧器の極性について」を元に回路を作りました。

PSIMの変圧器には1次側2次側が同じ極性を持つものと
逆の極性を持つものの2種類があります。

同じ極性を持つ変圧器

異なる極性をもつ変圧器

同じ電圧を印加して、同じ抵抗を負荷として追加し
同じ向きで電圧を観測すると下記のように結果が異なります。

また、同じ極性を持つ変圧器でも、回路の違いとして
巻数比だけを変える「理想変圧器」と漏れ磁束(漏れインダクタンス)や
巻線抵抗の値を入力できる「単相変圧器」の2種類があります。

回路の中に入るパラメータが違うので、
何を考慮する必要があるシミュレーションなのか?を考えて
素子を選ぶようにすると、パラメータを調整する余計な苦労をしなくて済みます。

理想変圧器のパラメータウィンドウ

単相変圧器のパラメータウィンドウ

2巻線の理想変圧器と単相変圧器は見た目が同じなので
間違えないようにご注意ください。

理想変圧器の極性については
素子を使わなくても二次巻線数をマイナスにすると
逆極の変圧器を使ったときと同じ特性を出すことができます。

回路は以下からダウンロードできますので、ぜひ色々動かしてみてください。

※Ver.10.0.6以上のデモ版で動作が可能です。

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【平地研究室技術メモ】昇圧チョッパ型高力率コンバータ No.20080214

舞鶴高専の平地先生が公開している「平地研究室技術メモ」を
PSIMで回路を作って実行してみました。
(平地先生には許可をいただいて製作しています。)

作った回路はDLできるようにしていますのでぜひご活用ください。

※PSIMの回路についての動作保障は致しかねますのでご了承ください。

今回はNo.20080214 昇圧チョッパはなぜ「昇圧」できるのか?です。
平地研究室技術メモ「昇圧チョッパはなぜ「昇圧」できるのか?」を元に回路を作りました。

まずは昇圧チョッパのリアクトル電流の振る舞いについてです。

回路は以下のようになります。

インダクタの初期電流は100Aですので、
インダクタのパラメータに初期電流を設定します。

インダクタの初期電流を設定する際の注意点として、
スイッチングデバイスの初期状態が0(オフ)だと
シミュレーション実行時にエラーが出てしまうので、
初期状態を1(オン)にします。

この回路の左側の電源の出力電圧値を変えて波形を見てみます。

出力電圧100Vの場合

出力電圧80Vの場合

出力電圧120Vの場合

次に実際の昇圧チョッパでの動作です。
技術メモではSCATでのシミュレーション結果が載っていますが、
同じ回路をPSIMで作成しました。

Voutの初期値が80Vということなので、
コンデンサの初期電圧を80Vに設定しています。

シミュレーションを実行してみましたが、
動作周期20usecで動作させるにはシミュレーションのタイムステップを
細かくする必要があり、
なおかつ波形が安定するまでの長い時間シミュレーションを行うと
PSIMのデモ版のデータポイントの制限(6000ポイント)を超えてしまいました。

製品版にてシミュレーションを行うと下記のような波形を出すことができました。

Voutの初期値80Vの波形

Voutの初期値0Vの波形

回路は以下からダウンロードできますので、ぜひ色々動かしてみてください。

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波形や回路図の色を変える

PSIMの回路図や波形はデフォルトでは赤や緑、青などを
使って描かれ、背景の色は白になっています。

回路図に関しては素子は青、パワー回路部の配線は赤、制御回路部の配線は緑、
機械系の配線は茶と色がついていますが、
色が見えづらかったり、資料に載せる際に変えたいときなど
色を変えたいという時の設定方法をご紹介します。

■回路図の素子の色、配線の色を変える方法(デフォルトの設定)■

1.メニューバーの「オプション(Option)」→「設定(Settings…)」を
 クリックして「オプション」のウィンドウを開きます。

2.「オプション」ウィンドウの「カラー」タブをクリックします。

デフォルトの素子の色、ワイヤの色を個別に設定することができます。
素子だけでなく、サブ回路やテキスト、ノードの色など
様々な部分ごとに色を変更できます。

■特定の素子の色だけを変更したい場合

デフォルトの色はそのままで回路図上にある特定の素子だけの色を変えるには
素子のパラメータウィンドウを開き「カラー」のタブを
クリックして色を変更します。

■波形の色を変える(デフォルトの設定) ※本設定は10.0.5から追加されました。

1.SimViewを起動し、メニューバーの「オプション(Option)」を
 クリックして「オプション」のウィンドウを開きます。

2.「デフォルト曲線設定」で8本分の波形の色、太さ、
 データポイントの表示の有無などのデフォルトを変更します。

※デフォルトの表示設定ですので、すでにSimViewで開いている波形は
設定を変更後に再度SimViewを開くと設定が反映されます。

10.0.4以前のバージョンではデフォルトの波形の設定を変えるのに
少し手間がかかりましたが、10.0.5からは簡単に変えられるようになりました。

■波形の背景や文字色を変える(デフォルトの設定)

1.シミュレーションを実行します。

2.波形を選択するプロパティウィンドウの「スクリーン」タブで文字色や背景色を設定します。

3.SimViewのメニューの「設定」→「お気に入りに追加」をクリックして
 保存したい情報にチェックを入れて名前をつけ「OK」をクリックします。

4.SimViewのメニューの「設定」→「お気に入りを管理」をクリックして
 管理画面を開きます。

5.新しいウィンドウのカラー/サイズ/フォントのデフォルトで、3.で保存した設定を選んで「閉じる」をクリックします。

ぜひ色々な設定をカスタマイズして使いやすくしてご利用ください!

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時間ごとに変化するデータを使ってシミュレーションを行う

PSIMを使っている上で知っていると便利な機能をご紹介します!

シミュレーション内で時間に応じて電圧が変化する素子を使いたい
と思ったことはありませんか?

実装方法は1通りではないので、いろんな方法があると思いますが
「ルックアップテーブル」と「時間」という素子を使った
1つの方法をご紹介します。

【ルックアップテーブルとは?】

入力と出力を表形式で設定し、端子に入力した値に応じて
出力する値が変わる素子です。
素子に直接入力するタイプの他、外部ファイルを読み込むタイプなど
複数の種類があります。

ライブラリブラウザで「ルックアップテーブル(Lookup Table)」と入力するか、
メニューの「その他(Other)」→「その他関数ブロック(Function Blocks)」の下にあります。

【時間とは?】

現在のシミュレーション時間をそのまま電圧の値として
出力する素子です。

ライブラリブラウザで「時間(Time)」と入力するか、
メニューの「電源(Sources)」のカテゴリの直下にあります。

■こんな時にご活用いただけます■

・実際に測定したデータをベースにシミュレーションを行いたい

・任意に変化する電圧源をシミュレーション内で使いたい

■使用方法■

※ファイルを読み込まない場合※

1. 回路を作成し、「ルックアップテーブル」を置きます。

2. ルックアップテーブルのパラメータウィンドウを開き、
  Input(時間)とOutputの値を入力します。

3.「名付け保存」をクリックして入力したデータを保存します。

4. ルックアップテーブルの入力に「時計」を接続します。

※ファイルを読み込む場合※

1. 1列目に時間、2列目にPSIM内で使用したいデータを
 入力したファイル(csvもしくはタブ区切りのテキスト)を用意します。

 ※1行目に項目名などは入れず、数値のみのデータを使ってください。

2. 回路を作成し「ルックアップテーブル」を置きます。

3. 「ファイルを開き」のボタンをクリックし、
 1で作成したファイルを読み込みます。

 ※csvやtxtのデータを読み出す場合は「ファイル名」の横の
  ファイル形式で「All Files(*.*)」を選択すると
  csvやtxtの拡張子のファイルも表示されます。

4. 読み出されたデータが正しいことを確認します。

5.ルックアップテーブルの入力に「時計」を接続します。

以上です。

結果を出力して確認すると下図のようになります。

ちゃんと入力した時間軸通りに電圧が出ていることがわかります。

電圧源として使用するには「電圧制御電圧源(Voltage-controlled voltage source)」を使用すると便利です。

電圧制御電圧源は、信号で入力された電圧通りに電圧を制御する
電圧源ですので、主回路の中に入れる事ができます。

電圧源の他にも「電圧制御電流源」もありますので、
電流源として使用したい場合はこちらをご利用ください。

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