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2026年06月08日(月)

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dq変換とは?ベクトル制御で三相電流をd軸・q軸に変換する基本概念【モータ制御シリーズ 入門⑥】

dq変換とは、ベクトル制御で三相電流をd軸・q軸に変換する基本概念です。本記事では、変化する電流を整理する基本を初心者向けに解説します。

前回の記事では、ベクトル制御とは、必要なトルクに合わせて三相電流を細かく調整する制御方式であることを解説しました。

ベクトル制御では、電流を大きさと向きを持つ量として考え、モータの状態に合わせて調整します。ただし、実際のモータに流れているのは、U相・V相・W相の三相電流です。

しかし、三相電流は時間とともに変化するため、そのままでは制御しにくい面があります。そこで使われる考え方がdq変換です。

本記事では、dq変換とは何か、なぜベクトル制御で三相電流を扱いやすくできるのかを、初心者向けにわかりやすく解説します。

dq変換とはなぜ必要?三相電流をd軸・q軸で整理する理由とは?

dq変換とは、U相・V相・W相で表される三相電流を、ベクトル制御で扱いやすい形に変換する考え方です。

三相モータでは、U相・V相・W相に電流を流して磁界を作り、その磁界によって回転子を回転させます。

しかし、U相・V相・W相の電流は時間とともに変化します。そのため、三相電流をそのまま見ていると、電流の大きさや向きが常に変化しているように見えます。

ベクトル制御では、この三相電流をそのまま扱うのではなく、制御しやすい形に見直します。そのために使われるのがdq変換です。

dq変換を使うことで、時間とともに変化していた三相電流を、制御上は一定値に近い形で扱いやすくなります。

なぜ三相電流を直接扱うと制御が難しいのか?

U相・V相・W相に流れる三相電流は、時間とともに大きさが変化します。

三相モータを回すためには、この変化する電流によって磁界を作り、磁界の向きを変化させる必要があります。これはモータを回すうえでは必要なことですが、一方で、制御する側から見ると、常に変化する量を扱うことになります。

たとえば、U相の電流が大きくなったり小さくなったり、V相やW相の電流もそれぞれタイミングをずらして変化します。

この状態のままでは、制御する側は、変化し続ける三相電流を常に追いかける必要があります。

そのため、三相電流をそのまま見るのではなく、制御しやすい形に変換して考えることが重要になります。

dq変換の基本的な考え方とは?

dq変換を理解するうえで大切なのは、電流そのものを別のものにするというより、制御しやすい見方に変えるという考え方です。

U相・V相・W相の三相電流は、時間とともに大きさが変化します。そのため、そのまま見ると、制御する側は常に変化する電流を追いかけることになります。

一方で、モータの回転に合わせた視点で見ると、変化していた三相電流をよりシンプルな値として整理しやすくなります。

たとえば、外から見ると回転しているものでも、同じように回る視点で見ると、動きがゆっくり見えたり、止まっているように見えたりすることがあります。

dq変換は、このように三相電流を「回転に合わせた見方」で見直し、ベクトル制御で扱いやすい値に整理するための考え方です。

dq変換では三相電流をどのようにd軸・q軸成分として捉えるのか?

dq変換では、U相・V相・W相で見ていた三相電流を、d軸q軸という2つの方向で整理します。

ここでいう軸とは、三相電流を整理するための基準となる方向です。

d軸は磁界に関わる方向、q軸はトルクに関わる方向です。

U相・V相・W相の電流は交流なので、時間とともに常に変化します。しかし、dq変換によってd軸電流・q軸電流で見直すと、安定した運転状態では、電流を一定値に近い形で扱いやすくなります。

これにより、制御する側は変化し続ける三相電流を直接追いかけるのではなく、d軸電流・q軸電流の値を見ながら電流を調整しやすくなります。

つまり、dq変換の大きなメリットは、波のように変化する三相電流を、ベクトル制御で扱いやすい値に見直せることです。

ベクトル制御になぜdq変換が必要なのか?

ベクトル制御では、必要なトルクに合わせてモータ電流を細かく調整します。

そのためには、変化し続ける三相電流をそのまま追いかけるよりも、制御しやすい値として整理したほうが扱いやすくなります。

そこで活用されるのがdq変換です。

dq変換は、その整理を行いやすくするための考え方です。

三相電流をd軸電流・q軸電流として見直すことで、ベクトル制御では、必要なトルクに合わせた電流調整を行いやすくなります。

そのため、dq変換はベクトル制御を理解するうえで重要な考え方になります。

dq変換を理解するうえで重要なポイントとは?

dq変換という言葉を調べると、数式や座標変換の式が出てくることがあります。

もちろん、実際の制御では数式を使って三相電流を変換します。ただし、初めて学ぶ段階では、いきなり計算式から理解する必要はありません。

まず大切なのは、dq変換は「変化し続ける三相電流を、ベクトル制御で扱いやすい値に整理する考え方」だと理解することです。

このイメージを押さえておくと、ベクトル制御でなぜdq変換が使われるのかを理解しやすくなります。

dq変換はどのようなモータ制御に使われるのか?

dq変換は、主に三相モータの高精度な制御で使われます。

代表的なのは、ブラシレスDCモータ永久磁石同期モータ(PMSM)誘導モータなどをベクトル制御する場合です。

これらのモータでは、三相電流を細かく制御することで、トルクや速度を高精度に調整します。

dq変換を使うことで、三相電流を制御しやすい値に整理できるため、低速から高速まで安定した制御や、負荷変動に対する応答性の高い制御を行いやすくなります。

そのため、電気自動車(EV)産業機器サーボ用途など、高性能なモータ制御が求められる場面で重要になります。




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