特徴
パワーエレクトロニクスの開発環境に求められる3大要素
パワーエレクトロニクス(以下、パワエレ)の分野は、マイコン制御や電気回路・機械・系統連系の技術など、多岐にわたる知識が必要となります。 さらに近年では、モータやインバータなどの単一のパーツでは性能向上が難しく、システムの全体最適が必要となっています。
そのため、性能改善のため、専門分野を超えて開発することも少なくありません。これは制御開発についても例外ではないため、専門分野でなくても簡単に使える開発環境が求められます。PE-Expert4はパワエレ開発に特化し、機能性・性能性・作業効率に優れたコントローラです。
目指したのはパワエレに特化した統合開発環境
簡単操作
・マイコンに依存しない独自の開発環境を用意(統合開発環境PE-ViewX) ・C言語によるパワエレ専用関数をライブラリとして提供(パワエレ専用ライブラリPEOS) ・ソースコード作成からプログラム実行、デバッグまで、一連の作業を簡単操作 |
高い安全性
・ゲート信号を絶縁とし、高い信頼性と安全性を実現 ・スイッチングノイズによる誤動作防止 ・短絡事故発生時のコントローラ破損防止 ・C言語によるパワエレ専用関数をライブラリとして提供(パワエレ専用ライブラリPEOS) |
リアルタイムデバッグ
・システムを止めることなくリアルタイムパラメータ調整が可能 ・グローバグ変数をオシロスコープの様に波形表示が可能(WAVEⅢ) ・電力計機能もアドオン可能(PE-Meter) ・専用カーネルが制御とデバッグを分離し、デバッグの影響なし |
ハードウェア面
・将来を見据えた1.25GHzのデュアルコアDSPを搭載し、ベクトル制御5μs以下を実現 ・オプションボードの追加で、容易にI/O・機能拡張可能 ・光ケーブルインターフェースを採用し、絶縁およびパワエレ特有のノイズを対策 |
ソフトウェア面
・パワエレ専用ライブラリPEOS搭載し、パワエレ初心者にも優しいC言語開発 ・WDTによる制御暴走時のゲートブロックなど、安全性を考慮した設計 ・専用カーネルが制御とデバッグを分離し、デバッグの影響なし ・制御ソフトウエアの変数をリアルタイムに観測・制御可能 ・オシロスコープのように内部変数を波形表示、リアルタイムデバックを実現 |
キャリア周波数200kHzでベクトル制御を実現
高性能なDSPの採用に加え、通信にかかる時間や遅れを短縮し、処理速度を飛躍的に向上しました。一般的なベクトル制御の処理は、PWM指令出力を含めても5μs以下で行うことが可能です。
PE-Expert4が、高速制御を実現できる理由
PE-Expert4は、1.25GHzの高性能DSPなど下記の点を考慮し、システム全体の最適化をはかり、高速コントローラを実現しています。
例えば、高速に大量のデータを送るよりも、小さなデータを数多く送れた方がパワエレには向いているため、オプションボードを繋ぐバスの通信方式も独自開発しています。
制御プログラム実行中にキャリア周波数を変更
制御プログラムを実行したままキャリア周波数を変更できるため、キャリア周波数の最適値の検証が手軽にできます。
ボード間同期で複数のインバータを同期制御
専用ラック内に挿入された異なる複数のオプションボードの動作を同期できるため、複数のインバータを同期制御できます。複数のPEVボードのキャリアを同期させ、MMC(Modular Multilevel Converter)としてご活用いただけます。
PE-Expert4システム構成
インバータへのゲート信号を生成するのに適した制御システムとして開発されたPE-Expert4は、DSPを搭載。実験環境に合わせてラック内に構成する拡張ボードを変更するだけという使い易いシンプル構造が特徴です。
システム全体の制御はPCにインストールした専用ソフトウェア統合開発環境PE-ViewXで行い、専用ライブラリを活用することで操作がより一層快適に行えます。
処理速度比較
ポイント1 高性能なDSP |
従来品のPE-Expert3に搭載しているDSPと比べて5~10倍の処理能力を持つDSPを採用し、業界トップクラスの高速浮動小数点演算DSPを搭載しました。
ポイント2 独自のバス通信方式 |
DSPのバス通信は画像処理など多くの情報の送信に適しており、少ない情報を高速で受け渡ししたいパワーエレクトロニクスの分野で使用すると信号の遅延が発生します。信号の遅延を最小にするため、バス通信方式を独自に開発して、高速制御を実現しました。
ポイント3 光モジュールの精度向上 |
従来品に比べ、より高精度な光モジュールを採用し信号の遅延が少なくなりました。光モジュールの立ち上がり時間、立ち下がり時間を大幅に短縮しつつ、コントローラとインバータ間の絶縁を実現しています。
PE-Expert3とPE-Expert4の比較
項目 | PE-Expert4 | PE-Expert3 | |
---|---|---|---|
搭載DSP | TMS320C6657(1.25GHz) | TMS320C6713(225MHz) | |
ベクトル制御 | 3.3μs | 25μs | |
複数ボード間同期 | あり | なし | |
PEVボード | 最大キャリア周波数 | 500kHz | 200kHz |
デッドタイム設定 | 0~20μs | 20ns~10.22μs | |
キャリア割り込み調整機能 | あり | なし | |
ADコンバータ | 8ch 14bit (変換時間:0.5μs) |
8ch 12bit (変換時間:2.0μs) |
PE-Expert3をご使用のお客様へ
PE-Expertシリーズをご愛用いただき、ありがとうございます。製品の仕様上、PE-Expert3とPE-Expert4には互換性がありません。
お使いいただいておりますPE-Expert3用の制御プログラムは、「PE-Expert3コンバータ」にて変換し、PE-Expert4用プログラムとしてお使いください。
レンタルのご案内
デジタル制御システムPE-Expert4は、オリックス・レンテック株式会社にてレンタルのお取り扱いがございます。
レンタルをご希望の方は以下よりお問い合わせください。
この製品に関する
よくあるご質問
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トライアル版で同じPC内の別アカウントで使用できますか。
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トライアル版では、ユーザアカウントごとのライセンスが必要になります(「macアドレス/ HDD情報/ cpu-ID/ ユーザーアカウント」の全てが一致する必要があります)。
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