2026年08月26日(水)
- 評価・試験
グリッドエミュレータを使うメリットとは?主な用途と評価対象を解説
グリッドエミュレータを使うメリットとは?主な用途と評価対象を解説
はじめに
前回のコラム「グリッドエミュレータとは?電力系統を再現して評価する理由を解説」では、グリッドエミュレータとはどのような装置なのか、なぜ電力系統を再現する必要があるのか、どのような系統状態を再現できるのかについて解説しました。
グリッドエミュレータを使用することで、実際の電力系統では試験のために自由につくることが難しい電圧や周波数の変化などを、試験環境の中で再現できます。
では、グリッドエミュレータを利用することで、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。また、どのような機器の評価に使われ、選定時には何を確認すればよいのでしょうか。
本記事では、グリッドエミュレータを利用するメリット、主な評価対象、選定時に確認したいポイントについて解説します。
※グリッドエミュレータの基本的な役割や、再現できる電力系統の状態については、前回のコラム「グリッドエミュレータとは?電力系統を再現して評価する理由を解説」をご参照ください。
グリッドエミュレータを利用するメリットは?
グリッドエミュレータを利用するメリットは、実際の電力系統では自由につくることが難しい状態を、試験条件として設定して評価できることです。
また、同じ条件を繰り返し再現できるため、条件をそろえた評価を行うこともできます。
| 実際の電力系統では難しいこと | グリッドエミュレータなら |
|---|---|
| 電圧を意図的に変化させる | 設定した電圧変化を再現できる |
| 周波数を意図的に変化させる | 設定した周波数変化を再現できる |
| 異常な系統状態を意図的につくる | 試験条件として設定して再現できる |
| 同じ状態を何度も発生させる | 同一条件で繰り返し評価できる |
このように、実際の電力系統ではつくりにくい条件を試験環境の中で再現し、さまざまな条件で機器の動作を確認できることがグリッドエミュレータのメリットです。
グリッドエミュレータはどのような機器の評価に使われるのか?
グリッドエミュレータは、主に電力系統に接続して使用する機器の評価に利用されます。
代表的な評価対象には、次のような機器があります。
- 太陽光発電用PCS
- 蓄電システム用PCS
- EV充電関連機器
- インバータなどの電力変換機器
これらの機器に対して、通常の系統状態だけでなく、電圧や周波数などが変化したときの動作も評価できます。
グリッドエミュレータを選ぶときのポイントは?
グリッドエミュレータを選定する場合は、再現したい系統状態だけでなく、試験対象に必要な電圧・電流・電力などに対応できるかを確認する必要があります。
主な確認ポイントは、次のとおりです。
| 確認項目 | 確認する内容 |
|---|---|
| 電圧 | 試験対象に必要な電圧範囲に対応しているか |
| 電流 | 必要な電流を供給できるか |
| 電力 | 試験対象に必要な容量を確保できるか |
| 周波数 | 必要な周波数範囲を設定できるか |
| 系統模擬機能 | 評価したい系統状態を再現できるか |
「どのような系統状態を再現したいのか」と「どのくらいの容量の機器を評価したいのか」の両方から選定することが重要です。
Mywayのグリッドエミュレータ
Mywayでは、電力系統を模擬してPCSなどの評価・試験を行うためのグリッドエミュレータ(回生型交流電源/双方向交流電源)をご用意しています。
大容量のパワーコンディショナの評価・試験に対応しており、150kW単位で容量を拡張することが可能です。
また、停電・電圧降下・電圧上昇などの異常波形を生成でき、急速充電器やパワーコンディショナの評価、系統連系規程に対応した試験にも利用できます。
回生機能を備えているため、逆潮流時のエネルギーを回生できるほか、高効率なデジタル制御技術により、高速電流応答と高精度なプログラム運転を実現しています。
製品の詳しい特徴・仕様・用途・システム構成については、 Mywayのグリッドエミュレータ|回生型交流電源(双方向交流電源)製品ページ をご覧ください。
前回&今回のまとめ | グリッドエミュレータの役割とメリット

グリッドエミュレータの役割とメリット
グリッドエミュレータを利用することで、実際の電力系統では意図的につくることが難しい電圧や周波数の変化、異常な系統状態などを試験環境で再現できます。
また、同じ条件を繰り返し再現できるため、太陽光発電用PCSや蓄電システム用PCS、EV充電関連機器、インバータなどの評価を、条件をそろえて行うことができます。
グリッドエミュレータを選定する際には、必要な電圧・電流・電力、周波数範囲、系統模擬機能などを確認することが重要です。
「どのような系統状態を再現したいのか」「どのような機器を評価したいのか」を整理し、試験内容に必要な仕様や機能を備えたグリッドエミュレータを選定しましょう。