2026年08月19日(水)
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実バッテリをどう再現する?バッテリエミュレータの仕組みと評価で使われる理由
実バッテリをどう再現する?バッテリエミュレータの仕組みと評価で使われる理由
はじめに
前回のコラム「パワエレ開発ではなぜエミュレータを使用するのか?バッテリエミュレータ・グリッドエミュレータ・モータエミュレータの役割を解説」では、パワエレ開発で使用されるエミュレータの役割についてご紹介しました。
その中でも、EV(電気自動車)や蓄電システム、DC/DCコンバータなどの評価で広く利用されているのが、バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)です。
しかし、
- 実際のバッテリを使わず、本当に正しい評価ができるの?
- バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)は何を再現しているの?
- なぜ実バッテリの代わりとして利用できるの?
と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
本記事では、バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)が実バッテリをどのように再現しているのか、その仕組みと評価現場で利用される理由について解説します。
なぜ実バッテリを使った評価には課題があるのか?
開発段階では、実際のリチウムイオンバッテリを接続して評価を行うことも可能です。
しかし、実バッテリには次のような課題があります。
- 高電圧・大容量で取り扱いに注意が必要
- 充放電を繰り返すことで劣化する
- 評価ごとに充電状態(SOC)を調整する必要がある
- 同じ条件を何度も再現することが難しい
- 異常状態を安全に再現しにくい
このような課題は、評価時間の増加や試験コスト、安全性の低下につながります。
そこで利用されるのが、実バッテリの代わりとなるバッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)です。
バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)は何を再現しているのか?
バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)は、単純に一定の電圧を出力する直流電源ではありません。
実際のバッテリが持つ電気的な特性をモデル化し、その挙動をリアルタイムで再現します。
例えば、実バッテリには次のような特性があります。
- SOC(State of Charge:充電状態)に応じて電圧が変化する
- 内部抵抗により、電流が流れると電圧降下が発生する
- 充電時と放電時で電気的な挙動が変化する
バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)は、これらの特性をソフトウェアモデルとして保持し、評価対象の動作に応じて出力を高速に制御することで、実バッテリに近い挙動を再現しています。
バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)は、なぜ実バッテリの代わりとして利用できるのか?
バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)は、評価対象から流れる電流を瞬時に検出し、その変化に合わせて電圧や出力特性をリアルタイムで制御します。
そのため、
- 加速時
- 回生時
- 急激な負荷変動時
など、実際の車両や機器で発生するさまざまな運転状態を再現できます。
また、SOCや内部抵抗の変化もモデル上で設定できるため、実バッテリでは準備や再現が難しい試験条件でも、安全かつ繰り返し同じ条件で評価を実施できます。
その結果、評価の再現性が向上し、試験時間の短縮や開発効率の向上にもつながります。
バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)を使うメリットとは?
バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)を導入することで、評価現場では次のようなメリットが得られます。
- 高電圧バッテリを使用しないため安全性が向上する
- バッテリの劣化を気にせず評価できる
- 評価条件を自由に設定できる
- 同一条件で繰り返し試験を実施できる
- 評価準備時間を短縮できる
特に研究開発では、「同じ条件で何度でも試験できる」ことが、評価品質の向上や開発期間の短縮につながります。
Mywayのバッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)が実現する評価環境
Mywayプラスの回生型直流電源(双方向直流電源)「pCUBE x50シリーズ」は、バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)として利用できる製品です。
高速応答性能と双方向電力変換により、EV用インバータやDC/DCコンバータ、BMSなどの評価に必要なバッテリ挙動を再現し、安全かつ効率的な評価環境を構築できます。
また、評価条件の変更や繰り返し試験にも柔軟に対応できるため、研究開発から量産前評価まで幅広い用途で活用されています。
※「バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)|回生型直流電源(双方向直流電源) pCUBE x50シリーズ」製品ページもぜひご覧ください。
まとめ

実バッテリ評価の課題とバッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)を活用するメリット
バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)は、単なる直流電源ではなく、実バッテリの電気的な特性を再現することで、安全かつ高精度な評価を実現する装置です。
実バッテリを使用した評価には、安全性や再現性、試験準備など多くの課題がありますが、バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)を活用することで、それらを大幅に改善できます。
本記事では、バッテリエミュレータ(バッテリシミュレータ)が実バッテリの特性をモデル化し、安全かつ効率的な評価を実現していることをご紹介しました。
一方で、その再現に用いられるSOC(充電状態)・OCV(開放電圧)・内部抵抗は、バッテリの挙動を理解するうえで重要な要素です。
これらの特性については、次回以降に解説します。
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