2026年09月25日(金)
- 評価・試験
系統連系試験とは?主な試験内容と確認項目を解説
系統連系試験とは?主な試験内容と確認項目を解説
前回のコラム「PCS評価とは?主な試験・評価と基本的な評価方法を解説」では、PCSの開発で行われる主な試験・評価について解説しました。
その中でご紹介した評価の一つが「系統連系試験」です。
今回は系統連系試験について、どのような試験なのか、主な試験内容や確認項目について解説します。
系統連系試験とは?
電力系統とは、発電所などでつくられた電力を、送電・配電して需要家へ届けるための電力ネットワークです。
この電力系統に接続して使用する機器が、系統の状態に応じて適切に動作するかを確認する試験を「系統連系試験」といいます。
系統連系試験が行われる機器には、以下のようなものがあります。
【例】
- PCS(パワーコンディショニングシステム)
- 系統連系インバータ
- EV充放電設備
- V2H(Vehicle to Home):EVに蓄えた電力を家庭で利用する仕組み
- V2G(Vehicle to Grid):EVと電力系統の間で電力をやり取りする仕組み
これらの機器には、通常時だけでなく、系統側の変化や異常が発生した場合にも適切な動作が求められるため、動作や応答、保護機能などを評価します。
系統連系試験では何を確認するのか?
系統連系試験の代表的な試験・確認内容は、以下の通りです。
| 試験・確認項目 | 想定する系統の状態 | 主な確認内容 |
|---|---|---|
| 電圧に関する試験 | 系統電圧が変化する | 電圧変化に対する動作や応答 |
| 周波数に関する試験 | 系統周波数が変化する | 周波数変化に対する動作や応答 |
| 瞬時電圧低下(瞬低)に関する試験 | 系統電圧が一時的に大きく低下する | 瞬低発生時の動作や応答 |
| 停電に関する試験 | 系統の電圧が失われる | 停電時の動作や保護機能 |
| 保護機能に関する試験 | 異常な系統状態が発生する | 保護機能が適切に動作するか |
| 単独運転に関する試験 | 系統から切り離された状態になる | 単独運転を検出し、必要な動作を行うか |
系統連系試験の代表的な試験・確認内容
必要となる試験や確認項目は、対象となる機器の用途や仕様、適用する規程・規格などによって異なります。
各試験の具体的な内容については、今後のコラムで詳しく解説します。
系統連系試験では、電力系統のさまざまな状態を再現し、その際の機器の動作や応答、保護機能などを確認します。
こうした試験には、電力系統の状態を模擬できるグリッドエミュレータ(回生型交流電源・双方向交流電源)などが使用されます。
系統連系試験にはどのような規程・規格があるのか?
系統連系試験で確認する内容や条件は、機器を接続する国や地域によって異なります。
日本国内だけでなく、海外で使用するPCSや系統連系インバータなどでは、各国・地域の系統連系に関する規程・規格への対応が必要となる場合があります。
代表的な規程・規格等には、以下のようなものがあります。
| 国・地域 | 策定・発行元 | 規程・規格等 |
|---|---|---|
| 日本 | 資源エネルギー庁 | 電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン |
| 日本 | 日本電気協会 | 系統連系規程(JEAC 9701) |
| 日本 | 日本電機工業会(JEMA) | JEM 1498:分散型電源用単相パワーコンディショナの標準形能動的単独運転検出方式 |
| 日本 | 日本電機工業会(JEMA) | JEM 1505:低圧配電線に連系する太陽光発電用三相パワーコンディショナの標準形能動的単独運転検出方式 |
| 日本 | 日本電機工業会(JEMA) | JEM 1509:三相パワーコンディショナの等価ミニモデル設計基準 |
| 米国 | IEEE | IEEE 1547:分散型エネルギー資源(DER)の電力系統への連系・相互運用に関する規格 |
| 米国 | IEEE | IEEE 1547.1:IEEE 1547への適合性を確認するための試験手順に関する規格 |
| 欧州 | EU | Network Code Requirements for Generators(RfG):発電設備の系統接続要件 |
| ドイツ | VDE FNN | VDE-AR-N 4105:低圧系統に接続する発電設備に関する技術要件 |
系統連系に関連する主な規程・規格
※必要となる規程・規格は、対象となる機器の用途や仕様、接続する国や地域などによって異なります。
Mywayプラスの系統連系試験
Mywayプラスでは、PCSなど、電力系統に接続する機器の評価・試験に使用できるグリッドエミュレータ(回生型交流電源・双方向交流電源)を提供しています。
グリッドエミュレータは、実際の電力系統の代わりとなり、試験に必要な電圧や周波数などの条件を再現する装置です。
系統連系規程に対応した試験や、電力系統に接続する機器の評価に使用できます。
また、直流電源や計測器、負荷などを含めた自動計測システムの提案にも対応しています。
グリッドエミュレータの仕組みや特徴については、以下のコラムで詳しく解説しています。
→ グリッドエミュレータとは?電力系統を再現して評価する理由を解説
→ グリッドエミュレータ|回生型交流電源(双方向交流電源)
まとめ

系統連系試験の概要と主な試験条件
系統連系試験は、電力系統に接続する機器について、系統の状態が変化した際の動作や応答、保護機能などを確認する試験です。
試験では、電圧変動、周波数変動、瞬時電圧低下(瞬低)、停電、単独運転など、さまざまな条件を想定して評価します。
系統連系に関連する規程・規格には、国内の系統連系規程(JEAC 9701)やJEM規格のほか、海外ではIEEE 1547、IEEE 1547.1、Network Code Requirements for Generators(RfG)、VDE-AR-N 4105などがあります。
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