パワエレコラム

2026年10月16日(金)

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突入電流とは?発生する原因と電源評価で確認するポイントを解説

突入電流とは?発生する原因と電源評価で確認するポイントを解説

電源装置や電子機器では、電源を投入した瞬間に、定常動作時よりも大きな電流が流れることがあります。この電流を「突入電流(Inrush Current)」と呼びます。

本記事では、突入電流が発生する原因や機器への影響、電源評価で確認するポイントについて解説します。

突入電流とは?

突入電流とは、電源を入れた直後に一時的に流れる大きな電流のことです。

電源を入れた直後と、機器が安定して動作している定常動作時の違いは、以下の通りです。

表1:電源投入直後と定常動作時の電流の違い
状態 電流の状態 突入電流
電源を入れた直後 コンデンサへの充電などにより、一時的に大きな電流が流れる場合がある 発生する可能性がある
定常動作時 機器の動作に必要な電流が流れる 通常は発生しない

突入電流はなぜ発生するのか?

突入電流は、電源投入時のコンデンサへの充電やトランスの励磁、モータの始動などによって発生します。

突入電流の大きさや波形は、機器の回路構成や入力電圧、電源投入時の条件などによって異なります。主な発生要因は、以下の通りです。

表2:突入電流が発生する主な原因
主な要因 内容
コンデンサへの充電 電源投入時にコンデンサを充電するため、大きな電流が流れることがある
トランスの励磁 電源投入時の条件によって、トランスに大きな励磁電流が流れることがある
モータの始動 停止しているモータを始動する際に、大きな始動電流が流れることがある

突入電流によってどのような影響があるのか?

突入電流が電源や回路の許容範囲を超えると、機器の正常な起動や周辺機器の動作に影響を与える場合があります。

主な影響は、以下の通りです。

  • 過電流保護回路の動作
  • 入力電圧の一時的な低下
  • ヒューズやブレーカへの影響
  • 電源や回路部品への電気的・熱的ストレス
  • 機器が正常に起動しない

なぜ突入電流を評価する必要があるのか?

電源や機器を選定する際、定格電圧や定格電流だけでは、電源投入時の動作を十分に判断できない場合があります。

そのため、実際の使用条件を想定し、突入電流のピーク値や継続時間、電圧の変化などを確認することが重要です。

特に、容量の大きなコンデンサを備える機器や、大電力を扱うパワーエレクトロニクス機器では、起動時の挙動を事前に確認することが重要です。

突入電流の評価では何を確認するのか?

突入電流の評価では、電源投入時の電流や電圧の変化を確認します。

代表的な確認項目は、以下の通りです。

表3:突入電流評価で確認する主な項目
確認項目 確認する内容
ピーク電流 電源投入直後に流れる最大電流
継続時間 大きな電流がどの程度の時間続くか
電流波形 電源投入から定常状態までの電流の変化
電圧変動 突入電流によって入力・出力電圧が低下していないか
保護機能の動作 OCPなどの保護機能が意図せず動作しないか
起動状態 突入電流発生後も機器が正常に起動するか

突入電流は電源投入時の短時間に発生するため、ピーク値だけではなく、時間軸を含めた波形として確認することが重要です。

突入電流を評価するときのポイント

突入電流は、入力電圧や電源投入時の条件などによって大きさが変化する場合があります。

そのため、実際の使用条件を想定して評価するとともに、必要に応じて同一条件で測定を繰り返し、起動時の挙動を確認することが重要です。

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まとめ

突入電流の概要、コンデンサの充電・トランスの励磁・モータの始動による発生原因、機器への影響、電源評価で確認する6つの項目をまとめた図 図1:突入電流の主な発生原因と機器への影響、電源評価で確認するポイント

突入電流とは、電源投入時などに定常状態よりも大きな電流が一時的に流れる現象です。

突入電流は、コンデンサへの充電やトランスの励磁、モータの始動などによって発生し、その大きさや波形は回路構成や電源投入時の条件などによって異なります。

突入電流が大きい場合、過電流保護の動作や電圧低下、機器が正常に起動しないなどの原因となる可能性があります。

そのため電源評価では、電源投入時のピーク電流や継続時間、波形、電圧変動などを確認することが重要です。

突入電流を含めた起動時の挙動を事前に評価することで、実際の使用環境における安定した機器動作の確認につながります。

次回は、電源の過電圧・過電流を防ぐ「OVP・OCP」について解説します。

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