納入事例

Typhoon HILユーザー事例(電車用インバータ)

Typhoon HILユーザー事例(電車用インバータ)

富士電機株式会社

田島 宏一様、Salman Ahmed様

  • Typhoon HIL
  • インタビュー
富士電機株式会社
パワエレ インダストリー事業本部 開発統括部 パワエレ機器開発センター 
輸送システム開発部 新幹線・在来線グループ
 

(左から)Salman Ahmed様、田島 宏一様


 

電車用インバータの試験にてTyphoon HILを導入いただいた富士電機株式会社の田島様に、どのようにHILSを活用されているのかインタビューを行いました。

 

-鉄道機器開発部ではどのようなお仕事をされていますか?

鉄道車両用のインバータ装置の研究開発を行っています。部署内では「新幹線担当」と「在来線担当」の2チームに分かれていて、私は在来線を担当しています。

 

 

-Typhoon HILを知ったきっかけを教えてください。

鈴鹿工場内での展示会でTyphoon HILを紹介しているMywayプラス様のブースがあり、そこで初めて知りました。ブースでは鉄道車両システムのデモを行っていました。鉄道は、モータを複数台で並列で制御するという特徴があるのですが、担当者からTyphoon HILはHILS一台でモータ複数台の制御ができるということを聞き活用できると考えました。

 

 

-Typhoon HILを活用するまではどのようなプロセスでしたか?

まず最初にレンタルにて導入しました。私の上長もHILSに関しては以前調査したことがあったため、導入しやすかったです。レンタルでの試用で想定していた以上に有用であることが確認できたため、正式に導入することに至りました。

 

インタフェース(I/F)の繋ぎ込みの部分で少し手間取りましたが、制御装置とHILSの入出力(I/O)を合わせるにあたり絶対に欠かすことのできない重要なプロセスだと思いなんとかやり切りました。I/Fの繋ぎ込みには事前にケーブル、コネクタを用意するのに1ヶ月程度要しました。その際に、端子台で繋げられるブレイクアウトボードが非常に役に立ちました。ブレイクアウトボードのおかげでHILS側のコネクタ製作を省力化できたので、事前準備の期間を少なくすることが出来ました。

 

Typhoon HILのデスクスペース

 

 

製品開発のリードタイムにおいて大きく貢献

 

-Typhoon HIL導入前の課題はありましたか?あれば教えてください。

課題はいくつかありました。まず、電車用インバータが制御するモータは約200kWと大容量であり、モータを回す設備を使用するには時間帯等の制約がありました。事前調整以外にも電車は現車での条件が多数存在し(車体・饋電きでんシステムの挙動など)、社内検証では基本部分しか見切れない制約がありました。

 

 

-HILSをどのようなシステムで使っているか教えてください。

電車用インバータ装置は制御装置が中に組み込まれているので、その制御装置をTyphoon HILに繋げています。制御装置の制御ブロックは下記のような構成となります。その際にVVVFインバータの主回路やモータの他、車体や饋電システムなどをHILSにてモデル化をしています。

 

  制御ブロック図                               VVVFインバータ装置

 

 

-Typhoon HILを使ってよかった点は何ですか?

一度HILSを組んでしまえば常時扱えるという点です。いつでも試せるという点で時間の制約が大きく削減されました。実挙動の確認が必要のときのみ実規模試験装置を使うように変わったため、私たちが実規模試験装置を使う時間がかなり節約されました。大まかにですが、5日間の実規模試験が2日程度に減りました。そのため製品開発のリードタイムにおいても大きく貢献することができました。

 

リードタイム以外にも実規模試験装置では車体等の挙動を検証できないため現車試験との間にギャップがありましたが、HILSでこれらの現象を模擬することでギャップを解消できました。モータにおいても、実機のモータでは内部の磁束の状態を測定することはできないですが、HILSだと内部の磁束の状態を測定できるので、今まではできなかった現象の解明ができるようになりました。

 

またHILSを扱う前は、実規模装置にてイチから動くことを確認するのはかなりのストレスでした。1500Vという高電圧にて試験をするため、色々気を遣わなければいけませんでしたが、HILSで試験を始めることでそのようなストレスも軽減されました。

 

 

 

試験の約8割はHILSで試験が可能

 

-HILSの普及率や部署内にて変化はありましたか?

モータ制御に関して最終的には実機での確認が必要ですが、モータ制御に直接かかわっていないシーケンス処理などはTyphoon HILにて検証を行い、その結果をもって承認ということになりました。今まで実試験で行っていた試験の8割程度はHILSで試験を行うようになりました。

 

 

-将来的にどのようにTyphoon HILを活用していきますか?

私たちの製品以外にも展開しているところです。また産業用インバータのデバッグ用途においてもTyphoon HILを導入しています。将来的には補助電源の用途でもHILSは使えると考えています。また製品の試験の自動化にも関心を持っていて、HILSを使って実現できないかの検討を考えています。

 

 

 

 

 

 

今回インタビューを行いました田島様は、富士電機様WEBサイト公開技報にて「VVVFインバータ」を紹介しております。こちらも是非ご覧ください。
「山陽電気鉄道株式会社 5000 系リニューアル車向け SiC ハイブリッドモジュール搭載の鉄道車両用VVVF インバータ」富士電機技報 第92巻第1号(2019年3月)
 
 
 
 
田島様、Ahmed様ありがとうございました!
インタビュアー 杉山 勇

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